姿勢の影響-姿勢を良くすると何が変わる?
姿勢を正すようにはよく言われますが、では正しい姿勢になると何が変わるのでしょうか?
結論から書くと、
- 見た目では、スタイルが良くなる、身長が高くなります。
- 背骨弾力を活用できるので俊敏に動け、呼吸も深くなるので持久力も高まるなど、運動能力が高くなります。
- 呼吸が改善され、疲れにくくなるので集中力も高くなります。
ではそれぞれについて、もう少し詳しく見ていきましょう。
スタイル良く、身長が高く
姿勢が良いほうが、スタイルがよく見えるのは当たり前。しかし、その影響は多くの人が思っている以上に大きいです。ダイエットや体のパーツに悩む前に姿勢を見直してみましょう。
上に写真は同じ人が正しい姿勢をとった場合と猫背反り腰になった場合の比較です。たくましい胸、引き締まったお腹のはずなのに、猫背反り腰では小さくて下を向いた胸、若干飛び出たお腹になっています。
鍛えていても姿勢が悪ければ台無しなんです。
姿勢さえ良ければ特別なプロポーションでなくともきれいに見えるわけです。
そして身長。これも写真を見てもらえればよくわかると思いますが、姿勢が悪いと身長が縮んでしまいます。
運動能力が高まる
運動の基本となる走る動作を考えてみましょう。
走る場合にも大切なのは地面からの反発力で、それを得るのに必要なのが背骨のS字カーブです。
短距離でも長距離でも、足を体の真下で着地させます。すると地面からの強い反動が得られ、その向きを前方向にもっていくことで推進力に変えて走ります。
短距離は強い反発力を得てスピードに変えていきます。足の力で体を前に押し出しているわけではありません(スタート時は足の力が求められます)。
長距離も反発を利用することで筋力を使わずにすむため、長時間走ることが可能になります。
この地面からの反発を利用するには背骨がきれいなS字を描いている必要があります。
S字であればバネのように強い反発力を得ることができるからです。これが猫背のように前にカーブしている形では、押しつぶされるだけでバネとしての反発力が弱いだけでなく、体に強い負荷がかかり疲れやすいです。
走る競技では上記の通りですが、走らない競技でも同様です。背中を曲げた形では頭を背中の筋肉で引っ張り続けるので、体幹の力を手足に伝えることができません。
正しい姿勢で運動に取り組めば、楽に感じる動きをするだけで運動能力は高まります。
もちろん、そのあとは競技に合わせたフォームを身に着けていくことが必要ですよ。
集中力・記憶力が高まる
正しい姿勢で集中力と記憶力UP
姿勢が正しいと集中力が高くなる、まぁそうだろうなとは思いますがなぜか?と問われると答えるのは難しい質問ですね。
しかし、これもちゃんと理由があり、正しい姿勢がもっとも楽な姿勢であるというところから導かれます。
まず猫背の場合。
頭が背骨から伸びる軸より前に来るので首・背中の筋肉で頭を支えなければなりません。頭は人体で最も重い器官。大人なら5kg以上もあります。これはボーリングの球とほぼ同じ。
腕を伸ばした状態でボーリングの球を1時間以上持ち続けられるでしょうか?普通は無理ですね。ものすごく疲れますから。
猫背の時、首と背中はこの無理な状態を強いられているわけですから、首・背中が疲労し、肩もこってきます。
こうして生まれる疲れ・コリが集中力を奪います。
また、猫背では胸が閉じられるので呼吸が浅くなります。
集中しているとき脳は大きなエネルギーを求めますので、エネルギーを生む元となる酸素もたくさん必要です。そのため呼吸が浅いと呼吸回数が増えてしまいます。
この浅く回数の多い呼吸は、緊張を生みやすいので集中には不向きです。
反り腰の場合は猫背とは逆に、胸の開きすぎにより胸が膨らまずに呼吸が邪魔されます。結果は猫背同様の浅い呼吸になってしまいます。
また、記憶力についても正しい姿勢が有効であることが、フロリダの州立大学の研究で明らかになりました。
この研究では、正しい姿勢で学んだほうがその記憶が長持ちすることが示されました。
机に正しい姿勢で向かえば、集中して学べるうえに、よく覚えていられてお得ということですね。