姿勢と成績・学習能力の関係-集中力・記憶力に有利
姿勢がいい子って頭がよさそうに見えますよね。では、姿勢が良ければ成績は伸びるのでしょうか?
もちろんそう簡単にはいきません。猫背の秀才だっていますよね。
でも、姿勢が正しいほうが勉強には有利で、これは確かなことです。
姿勢と集中力・記憶力には関連があり、正しい姿勢のほうがどちらもよくなるので学習に望ましいためです。
それぞれについて詳しく見ていきましょう。
正しい姿勢で集中力が持続
正しい姿勢で脳に酸素を届けよう
まず正しい姿勢になると呼吸が改善されます。
猫背の場合、胸を前に押しつぶす形になるので、肺を包む胸郭が息を吸ってもあまり広がりません。
そのため呼吸が浅くなってしまいます。
胸を張りすぎている場合は胸郭が引かれすぎているので、これも息を大きく吸い込めず呼吸が浅くなります。
呼吸が浅くなると一回の呼吸で体内に取り込める酸素の量が少なくなります。
集中して考えているとき脳はかなりのエネルギーを消費します。エネルギーを得るには酸素が欠かせないので、酸素補うために呼吸の回数を増やすしかありません。しかし、浅く回数の多い呼吸は交感神経の優位性を高めるため、興奮し、落ち着かない状況を作ってしまいやすく、集中しにくくなります。
深くて回数の少ない呼吸には、交感神経を鎮め、副交感神経を優位にする働きがありますので、集中に向いています。
また、姿勢が悪いと自律神経のバランスが乱れることが知られています。
自律神経のバランスが乱れると、イライラや集中力の低下が引き起こされます。
なぜ乱れるのか明確には示されていませんが、姿勢を正すことが良いのは確かです。
また、深い呼吸を繰り返すことで自律神経のバランスは調整されるので、その意味でも正しい姿勢で深い呼吸が自然とできるのはとても望ましいことですね。
疲れた時に深呼吸をするのもよいことですが、集中力を継続するには通常の呼吸を大きくしてやる必要があります。
大きな呼吸をするためには、姿勢を正して、胸郭が楽に膨らむようにすることが大切です。
正しい姿勢で記憶力UP
姿勢を身に付けて思い出しやすくなろう
記憶力の中でも、覚えたものを思い出す力がUPする可能性が示唆されています。
インディアナ大学で行われた幼児の記憶と物の認識についての研究で、覚えた時と同様の姿勢であることが認知に有効であることが示されました(PLOS : Posture Affects How Robots and Infants Map Words to Objects)。
覚えた時と同様の姿勢だと思い出しやすいということです。
テストに挑むとき普通は背中を伸ばします。テスト用紙に臨むので頭は下向きになる人が多いですが、背中はのばします。
椅子に浅く腰掛けて、ずり落ちるようにだらしなく座ることもありません。
普段の姿勢がだらしないと、テストの時の姿勢と違いが大きくなってしまいます。
普段の勉強もテストのときも正しい姿勢で行うようにしたほうが、思い出しやすくなる可能性があり有利です。
テストは写真のように頭を下げる人が多いですが、背筋だけでなく頭もしっかり上げて正しい姿勢にしたほうが、疲れないですし呼吸も楽なのでいいですね。
普段から正しい姿勢を身につけておけば、テストだって正しい姿勢で臨めますよ。