正しい姿勢で寝る布団選び-寝起き腰痛・肩こり防止

正しい姿勢と布団の選び方

正しい姿勢で寝るための布団選び

寝心地のため、とくに就寝時の姿勢のためにまず気にするのは、枕の場合が多いです。この選択は正しいです。布団より枕に問題があるほうが多いですから。

枕については「正しい寝る姿勢と枕の高さ-寝起き時の首・肩こり防止」で解説していますので、気になる方はそちらをご覧ください。

”枕は問題ないが、寝起きがすっきりしない”
”朝起きると腰痛が”
そんな方は布団に原因があるかもしれません。敷布団の素材と厚みが特に重要ですが、掛布団と寝巻(パジャマ)の素材も重要です。

掛け布団と寝巻(パジャマ)

布団で最も注目すべきは敷布団です。しかし、掛け布団やパジャマが正しい眠りを邪魔している場合もあります

掛け布団は姿勢には直接影響していませんが、寝返りの邪魔をしている場合があります。寝返りが打てないと腰痛の原因となります。
掛け布団が寝返りの邪魔をするのは、布団が重すぎる場合、摩擦が大きい布を使用している場合です。

毛足が長い、もこもこした生地ほど寝巻(パジャマ)と触れた時に摩擦が大きくなる傾向があります。毛布を使う場合は直接触れないよう、掛け布団の上に持ってきたほうが良いですね。羽毛布団の場合、毛布を布団の上にしたほうが暖かいという副次的なメリットもあります(羽毛は体温により膨らみ保温力が上がるため)。最近人気の人の蒸気で熱を生む暖かい掛布団も同様です。

綿、ポリエステルの布団の場合は、毛布が下のほうが暖かいので困ったところです。
寝巻を工夫するしかありませんね。

寝巻(パジャマ)も掛け布団同様、摩擦が小さいものを選びましょう。山田朱織医師、勝呂徹医師が書かれた「肩こり・痛みの予防治療のための寝具指導」(全日本病院出版会発行「実践 肩のこり・痛みの診かた治しかた」より)では、フリース素材とアクリル毛布の組み合わせは大変寝返りが打ちにくくなることが書かれています。

もこもこしたフリース素材の洋服は、寝巻に使用しないほうが良いということですね。
普段着を寝巻に使うのではなく、パジャマとして作られた物を使用したほうが良いです。ここまで"パジャマ"をカッコ書きにして"寝巻"という言葉を使ってきたのにはわけがあって、パジャマとは寝るために作られた衣服であって、普段着を寝巻にしたものは本来のパジャマではないので同一ではないからです。

通常、パジャマは綿(コットン)や絹(シルク)で作られており、摩擦が少ないです。またパジャマはゆったりと作られているので体がリラックスでき、夏でも蒸れないよう通気性よく作られています。

また、吸水性も優れており、汗をよく吸うので快適です。夏でも長ズボンのパジャマを使用して、肌が直接布団に触れないようにしたほうが、汗を吸って上手に蒸発してくれるので快適です。アクリル素材の衣服、フリースって吸水性が悪いので、汗をかくとべとべとしますよね。

寝巻には綿や絹のパジャマを使用するようにしましょう。

敷布団は硬め

さて、やっと本命の敷布団についてです。

敷布団も寝返りがしやすいことが大事です。なので、硬めの布団を選びましょう。

低反発素材など、柔らかいものは体が沈み込み寝返りを邪魔しますので、絶対に避けてください。また、柔らかい上に厚みがあるとお尻が沈み込み、腰が曲がってしまいます。

寝返りと姿勢を考えると、沈み込まない硬い・厚過ぎない布団が良いです。

しかし、薄すぎると背中やお尻など、下になる部分が痛くなります。

また、腰痛が気になる方は、硬い布団に仰向けになると腰が反りすぎて腰に負担を感じてしまいます。

軽いクッション性を持ちつつ寝返りを邪魔しないものが最適となりますが、この求められるクッション性は人によって差があります。
お尻が大きいほど仰向け時の腰のそりが大きくなりますし、体重によっても負荷が変わってきます。

通常は綿の布団を畳に敷けば十分です。ベッドの場合も堅いマットレスで問題ありません。ずっと仰向けではお尻などが痛くなると思われるかもしれませんが、寝返りを打つことが前提なので、布団に入ってすぐに違和感があるようでなければ大丈夫です。

しかし、通常の布団やマットレスではスッキリしない、体が痛い、腰が重いという方は反発素材のマットレスの使用がおすすめです。

沈みすぎない反発素材マットレス

柔らかい素材の敷布団、マットレスは下になるお尻や背中が痛くないというメリットはあります。しかし、寝返りができない、お尻が沈み込み腰が曲がるといった問題があります。

これらの問題を解決した、体圧を分散しつつ寝返りを邪魔しない反発素材のマットレスというものがあります。

いくつか出ているので、もし近くで試せるのなら実際に触れて比べていただくのが一番ですが、私のおすすめはオクタスプリングとMlily(エムリリー)です。

どちらも世界中で高い実績をもつマットレスで、とくにオクタスプリングは高級ホテルにも採用されている、実績の高い製品です。

オクタスプリング

オクタスプリングの内部は、ウレタンでできたスプリング。反発性の高いウレタン素材でバネを作ることで、通気性を保ちながら反発性と柔らかさを実現しています。また部分ごとに硬さの異なるスプリングを使うことで、体圧をきれいに分散し、体をまっすぐにしてくれます。

6万回もの耐久テストに合格、さすがに五つ星ホテルに採用されるだけのことはあります。

国外のレビューサイトTRUST PILOTでも700件以上のレビューを集める中で10点満点中8点とかなりの高評価。

残念なのは、日本国内ではマットレスの上に敷くトッパーしか売っていないこと。正確にはトッパーより厚いマットレスも販売しているところが1、2社ありますが15万円を超え高すぎ。トッパーだけは約2万円と国外より安い驚きの価格。

トッパーだけで床に敷いても通常の敷布団よりはずっといいですが、マットレスの上、もしくは敷布団の上に敷いて使うと本来のクオリティを堪能できますよ。

オクタスプリングの詳細ページへ

オクタスプリングをはじめとした高機能マットレスは結構なお値段がしますし、耐圧試験をクリアしているとはいえ何年も使えば劣化はします。

ただし、オクタスプリングのように耐久試験をしている製品ならどんなに短くても3年は使えます。3年が約1100日なので1日当たり約18円。5年なら1日当たり約10円。
寝起き時の腰痛などで悩んでいる方には決して損のない投資と言えます。

逆に、寝心地や寝起き時の体調にそれほど悩んでいない方はここまでの投資は不要でしょう。

普段問題のない方であれば、体が痛くなく、寝返りがきちんとできる敷布団であれば合格です。

関連記事

上に